王様ランキング2巻、今回もとても面白い。
ボッジの、どんなに辛いことが起こっても諦めない姿に勇気をもらえる。
自分には何もないと思っている人、他人と比べて自分を卑下してしまう人に読んでもらいたいのがこの王様ランキングという作品。
絵本のような絵柄で、中にはたくさんの愛と勇気が詰まっている。
ぜひ最後までこのレビューを読んでいただけたら嬉しいです。
1巻のレビューは下のリンクからどうぞ↓
ダイダが王になり…
1巻での多数決により、ボッジではなく腹違いの弟・ダイダがボッス王国の王となる。
そこでダイダは魔法の鏡の入れ知恵により、多数決で自分に票をいれなかったアピス(ボッス王国四天王の一人)を城から追い出し、暗殺を企てた。
アピス暗殺の任を依頼されたのはベビン(ボッス王国四天王のうちの一人・ダイダの剣術指南役)。
しかしベビンはアピスに敗れてしまい、ダイダの暗殺の企てを知ったアピスは城へと引き返していく。
ボッジは旅へ出る決意をする
城では王になれなかったボッジが旅に出る決意を固めていた。
その許可を取るためヒリング(ボッス王の2番目の妻でありダイダの母親)の元へと出向くが、外は危険すぎる!と大反対されてしまう。
ヒリングの目を盗んで城からの脱走を図るが、それもあっけなく見つかってしまい、更に見つかった拍子に高い塔から落下してしまった。
大慌てでボッジの元に駆け寄り、必死になってケガを治すヒリング。
目を覚ましたボッジにまたガミガミと説教をするが、ここでふとあることに気づいた。
自分は今までボッジのことを心配するあまり、彼のやりたいことを危険だからと頭ごなしに否定してきた。
本当にそれでいいのだろうか?本当にそれが彼の幸せなのだろうか?
自分の考え方を改めたヒリングはボッジの旅を許可することにした。
ただしお供にドーマス(ボッジの剣術指南役)とホクロ(唯一ボッジとの旅を志願した兵士)をつけることを条件に。
大喜びで旅立つボッジ。
この旅にも恐ろしい陰謀が隠されているとも知らずに…
旅は前途多難!
お供とともに旅に出たボッジだったが、道中カバンを盗まれそうになったり、森の中で罠にかかったりと散々な目に遭ってしまう。
散々な目に遭いながらもたどり着いたのは「冥府への穴」。
別名「地獄の門」とも呼ばれる場所。
この穴の中を通り、冥府へと向かわなければいけないのだが、穴からは数分に一回、大量の炎が巻き上がる。
「ボッジ様もじっくりご覧ください。本当に底が見えません。」
ドーマスはボッジに声を掛け、穴の中をのぞき込ませる。
そして大量の炎が巻き上がる直前、ボッジの背中を押し穴へと落としたのだ。
そう、ドーマスもまたベビン同様、ダイダに暗殺を依頼されていた。
ボッス王国の第一王子・ボッジの暗殺を…
ボッジを穴に落としたあと、ドーマスの頭の中を駆け巡ったのはボッジとの今までの思い出だった。
非力ながらも一生懸命剣を振るう姿、ご飯をたくさん食べて嬉しそうに親指を立てている姿。
思わずその場にうずくまり、「…お許しを…ボッジ様…」と声を震わせた。
友達との再会
穴の中を落下するボッジ。
必死にもがくがどにもならない。
底から炎が巻き上がってくる。
もうだめだ、そう思った時、カバンの中からボーガンが放たれた。
ロープで縛られた槍が壁に突き刺さり、その衝撃でボッジの体も壁にぶつかる。
そのおかげで間一髪、あの炎をかわすことができたのだ。
でもどうしてボーガンが…?
不思議そうに顔を上げたボッジの目に飛び込んできたのは…
「オレだー!!!」
そう、1巻で離ればなれになってしまっていた友達、カゲだった。
カゲの姿を見たボッジは嬉しさのあまり大泣き、それを見たカゲも「泣くなよ、男同士の再会だ!」なんて言いながらも大粒の涙をこぼした。
「オレはさ、ずっとボッジの側にいたんだぜ」
塔から落ちたときも、カバンを盗まれそうになったときも、全てカゲがこっそり助けてくれていた。
カゲはベビンから、ダイダに命を狙われているボッジの護衛を頼まれていたのだ。
ダイダの命令で、ドーマスに命を狙われていたことを思い出したボッジは落ち込んだ顔を見せるが、カゲは「気にすんな、人生にはいろいろあんだよ」と励ました。
そして冥府にはボッジを最強の男にしてくれるヤツがいると言う。
二人はその男に会いにいくため、穴の底を目指し始めた。
ダイダと魔法の鏡
ボッス王国の新しい王になってから、自分に票を入れなかったアビスを追い出したり、ボッジの暗殺を企てたダイダ。
でもこれは全て、ダイダの持つ魔法の鏡の入れ知恵だった。
亡きボッス王の後を継ぎ、強くありたいと願うダイダの元にやってきたのは王様ランキング協会の者。
ボッス王が亡くなり、新しい王のランキングを付けに来たのだ。
しかし、その結果は散々たるものだった。
亡きボッス王は7位、だけどダイダは協会の用意したゴーレムに歯が立たず、ランキングは90位と大幅にダウンしてしまう。
焦ったダイダは魔法の鏡にボッス王のチカラが欲しいと望んでしまったのだ。
魔法の鏡に連れられてきた場所は様々な強い生き物が氷漬けにされた部屋。
そこに父親であるボッス王の姿もあった。
魔法の鏡はその氷漬けのボッス王を大きなミキサーにかけ粉々にしてしまう。
粉々にした後、ミキサーについた蛇口を捻ると、そこからは大量の血が…
「鏡!なんてことを!」
そのおぞましさに吐き気をこらえつつ魔法の鏡を怒鳴りつけると、「ここからなのです!ダイダ様」と鏡は答えた。
魔法の鏡の目的は…
ここで3巻へと続きます。
読み終えて
今回もハラハラさせられっぱなしの展開でした!
個人的にはヒリングのきつい性格の中にある優しさと、ドーマスの暗殺に対する葛藤、カゲとの再会のシーンがぐっときました。
ヒリングは本当にボッジのことを大切に想っているんですね。
だからどうしても危険な目に遭わせたくなくて色々と口やかましくなってしまう。
だけどその口やかましい愛を、ちゃんとボッジも理解している。
すごい、なんか心の奥底がじんわりとあったかくなりました。
血は繋がっていないけれど、ヒリングの母親愛がとても伝わってくるシーンがとても良かった。
そしてドーマスの葛藤!他人の前では動じていない素振りを見せながらも一人になると声を震わせてうずくまる姿。
上からの命令に逆らうことも出来ず、小さな頃から剣術指南してきたボッジを殺さなければいけないなんてどれだけ辛い決断だったんだろう。
彼にしか分からない葛藤、それがボッジを穴に落とした後のワンシーンに表れていて胸が痛かったです。
そしてカゲ!2巻終盤にしてようやくボッジと再会することができました!
これには私ももう、大喜びでした。
良かったなボッジ、嬉しいよな~!って心の中で騒ぎまくっていましたね。
様々な陰謀が動き始めた2巻、果たしてボッジは強さを手に入れられるのか、今から楽しみです。
それではまた次の記事でお会いしましょう!
ここまで読んでくれてありがとうございました!
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