ここは今から倫理です。(雨瀬シオリ)3巻レビューネタバレ注意

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こちらのページより画像引用しました。


どのように生きていくのがより良いのか。

生き方を考える「倫理」を教える教師・高柳は生徒に寄り添い、語りかける。

生徒たちが見出すものは、救いか、それとも…



ようやく3巻のレビューを書く時がきました。
この本に出会って、物語の中の生徒同様に高柳先生の言葉に救われています。

今回も5人の生徒の話が書かれているので、あらすじだけ紹介していきます。

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善と悪

この回では近藤、という生徒が善悪を考えずにその場のノリでどんどん危険ドラッグの闇の世界に引きずりこまれていく。

そこで出会ったジュダという男、この男に犯されそうになるが…


はい、ざっくりとしたあらすじですがこれはぜひ本編を読んでもらいたいので細かく書くのはやめました。

自分にとって何が善で、何が悪か。

ただ楽だから、楽しそうだからという理由で誘惑に流されてしまうと、気づけば引き返せないところまで落ちてしまいます。

まあ、そういう人のおかげで反面教師となり、自分はこうならないようにしようと踏み留まれる人も沢山いるのですが…

悪=カッコイイと思ってしまうのはそこが非日常に溢れているから。

でもそこに行く前によくよく考えてほしい。

そこに行ったとして、その一瞬が楽しい以外のメリットは?踏み外した時に迷惑を掛けてしまう人はいないのか?何よりそこは自分自身を大切にできる環境なのか?

とても考えさせられるお話でした。

若い人だけではなく、大人も考えなければいけない問題だなと感じます。




セミの声

高校3年生の曽我涼馬は学校では一言も喋らない。

頭が良くて、小論文なんかもすごくユーモラスで読ませる文を書く。

スポーツも得意でチームプレーもこなせる。

友達もいないわけじゃない。

本当に、ただ喋らないだけ。

3年間誰も彼の声を聞いたことがないんじゃないかと囁かれる中、高柳は今日も曽我の隣で一人話を続ける…


この話を読んで、私はなんっ…となく曽我君が学校で話さない理由が分かったような気がします。

だけどうまく言葉にできない…!なんか感覚で分かるような…ああもどかしい…!

曽我君が話さない理由があるのではないかと思った場面を紹介します。


真夏、セミの声が廊下に響き渡っている。

曽我君の周りで女子たちはその声を聞いて「セミまじうるっさい!」「わかるー早く死んでくれ」などと話をしていました。

昼休み、いつものように隣に座ってきた高柳はセミの声を聞いて呟きました。

「…あのセミ達は、何の話をしているのでしょうね…」


そこで初めて曽我君の表情が変わりました。



私はここに、彼が話さない理由が隠れている気がします。

高柳先生とその他大勢。彼の中での線引きが垣間見えたような…ああ、うまく言葉にできないってもどかしい…!




自分の為の勉強

田村創はあんまり頭が良くない。

サボっているわけじゃないのに、まずまずの点数しか取れない。

そんなまずまずの点数しか取れない創に、お母さんは根気強く色んなものを与えてくれた。

「有名校じゃなくても進学はするべきだ」「人一倍勉強はするべきだ」「あなたが将来困らないように」「大学にさえ行っていれば就職の選択肢だって増えるんだから」「貴方のお父さんのように低い給料で働かなくたって済むんだから」

ありがたい、お母さんの気持ちはすっごくありがたいよ。

マザコンって言われるのは嫌だけど、お母さんの気持ちは裏切りたくないって思う。

ごめんね、お母さん。

僕がもっと頭良かったら、お母さんがそんなに頑張る必要ないのにな。


そんな気持ちを抱えながらいつもの図書館で、いつもの教材を目の前にどうしても勉強ができなくなってしまった。

そこに高柳が通りかかって…


この話は3巻で一番好きなお話でした。
なのでちょっとこの後も話の続きを書きます。

勉強の手が動かない創に、高柳は「疲れているのなら休みなさい」と声を掛けます。

「…休んだら、お母さんが心配するから…」という創の言葉に、「そうですか」と返して図書館の本を読み始めます。

てっきり高柳も勉強しているのかと思い、「先生は何を勉強しているの?」と聞くと「別に、ちょっと「筆跡鑑定入門」を読んでいるだけです」との返し。

ニセ遺言書や偽造文章について筆跡鑑定が危うい!なんて…危機が迫っていたなんて知らなかった…と真面目な顔で話す高柳に、創はポカンとしてしまいました。

図書館からの帰り道、高柳に声を掛けられて二人で一緒に帰ることになりました。

そこで「あの、先生…さっきの話、筆跡鑑定の危機って結局なんだったんですか?」と聞いてみると、高柳は「…ふっ」と思わず笑いがこぼれました。

気になるのならあの本を読んでください、と笑う高柳に「そんな時間ないですよ…」と言い返すと、彼は優しくこう言いました。



「”勉強”はなにも”受験勉強”のことだけを言うんじゃありません。

「これは何だろう」そう思ったものを調べる事も”勉強”ですよ。

図書館を歩いて「面白そう」と思った本を手に取り気ままに読む事も…

「あそこには何があるのだろう」と思い、そこへ冒険しに行く事も

全て勉強。

”勉強”は本来、すごく楽しいことなのですよ…



うん!この言葉がね、すごくいいですよね。

私、小学校から高校まで勉強が好きではありませんでした。

やらなきゃいけないものって強制されていたのもそうだし、テストで良い点を取るためだけに勉強していたので本当に何も身についていないんですね。

だけど生活していてふと「あれってどういう意味なんだろう?」とか思って何気なく検索したりするんです。

そうすると「じゃあアレはどういう意味なんだ?」って数珠繋ぎに疑問が出てきて、気づけば何時間もネットで調べまくっていたんですよ。

そして「またスマホを弄りすぎて何もできなかった…!」なんてはちゃめちゃに後悔していたわけですけれども、これも勉強だったんです!

楽しくていろんなことを検索してしまう、これも勉強だったんだ。

私の知りたい欲求で費やした時間は無駄ではなかった、そして私は知る事=勉強が好きだったんだ!と気づけました。

この話では後半も高柳先生がすっごく良い言葉を残してくれているんですよ。

それはぜひ、自分で読んで触れてほしいです。

自分の為の勉強、タイトルもグっとくるなぁ。




主義探し

入らなきゃいいのは分かってる。

最初は入らなかった、でも時々本当に必要なクラス内での連絡事項があったりするし…

何より、入らないほうが面倒臭かった。

周りからは何かあったのかと心配されるし、そういうのも全て面倒。

だけど授業中も鳴りやまないグループLINEの通知、気づけば未読100件超え。

内容は全てくだらないものばかり。

うるさいのも、群れるのも苦手。

交友関係は狭く深くがいい。

クラスの人たちはきっと、私と主義が違うのね。

200個近く国があるのに、社会主義の国は5個。

30人ちょっとのこの教室で1人主義は私だけ?

主義が違うって、面倒ね。



そんな悩める女子生徒、南さんのお話です。

誰かと群れるのは苦手、だけどどこか寂しくて完全な独りぼっちにもなれない。

そんな彼女に、高柳は社会主義と個人主義・全体主義の話をします。


正直な話、結束力の強い集団って厄介ですよね。

そこから少しでも外れた者がいると「アイツは空気が読めない奴だ」とかって一斉攻撃を仕掛けてくるところがあるじゃないですか。

誰だって沈んでしまう時や、一人になりたいって思う時があるのに。

それじゃあ一人で行動したいけど、集団の中で生きていかなければいけない人たちはどうすれば生きやすくなるのか。

それがこの物語の後半に書かれています。

どんな主義や主張も最後に目指すところはただ一つ。

その目指すところとは何か、そのためにはどんな考え方や行動をすればいいのか。

きっとあなたの助けになる言葉が載っていますよ。




切っちゃおうかな 前編

「そんなんで死ねるわけないじゃん」って言われる。

別に死にたくてやってる訳じゃねーし

お前らに構われたいなんて思ってねーし

メッセージなんてねーよ

ただ何となく切りたいだけ…


自分は病んでいない、ただイライラしたから切っただけ、泣かないために切っただけ。

小学校の頃にリストカットの存在を知って、切るとスカっとするって聞いたからやってみたら本当にそうだった。

今は何か嫌なことがあったら切る、そして血を見ると安心する。

そんな女子生徒、由梨は倫理の授業の前にスマホゲームがきっかけで保健室登校の都機川くんに話掛けます。

そこから都機川くんに積極的に話しかけられるようになり(何だ、フツーにしゃべるし明るいじゃん…)なんて思っていました。

その日の夜、お風呂に入ろうとしたらバスタオルを持ってきたお母さんに、切った腕を見られてしまい、また切ってしまうのでした。

その次の日も最低な気分、倫理の授業中に腕を切りたくなってしまう。

(先生、もし先生に見つかったら、あなたどんな顔をするのでしょうか)

そしてハサミで腕を切った瞬間…

都機川君の大絶叫が響き渡り、由梨に覆いかぶさります。

どうして自分でそんなことをするのか、誰かにやられたわけでもないのに!

過呼吸になりながらも由梨に訴えかけます。

教室は大パニック、その中で由梨は何を思ったのでしょうか。



この後は4巻じゃないと読めないんですよ…!

めちゃめちゃに気になるので早く4巻発売にならないかな!

リストカット、これもまた難しい問題ですよね…

世の中には人の気を引くために切るファッションリスカ、なんて言葉もあるんですよね。

昔は自分でホームページを作って、そこに自分で切った腕の写真を載せている人も結構な人数いました。

由梨はどちらなのでしょう?

切っている自分に酔っているタイプなのでしょうか?

でも、自分の気づかないところで日々のストレスが溜まり、それを消化できる術がリスカであって、その行為だけが彼女の支えになっていたようにも見えます。

腕を切って、血を見ると自分は生きているんだと実感できる人がいます。

死にたくないから切るんだと、言っていました。

リストカット以外で自分が生きていると実感できる術がないのは胸が痛いです。

どうか由梨も、4巻では少しでも救われる結末が待っていますように。


全体の感想

ここはもう短めにまとめたいと思います。

3巻でも寄り添ってくれてありがとう、高柳先生…!

本当にね、マジで思春期の頃に出会いたかった漫画ナンバーワンです。

今が苦しい十代の方、仕事やプライベートに疲れ切って何もかもうまくいかないと感じている二十代以上の方、倫理に触れて少しでも生きやすい考え方を知ってみませんか。

4巻がとっても楽しみです、ここまで読んでくれてありがとうございました!

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